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東洋らんの再生

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10年も前に義父がどなたからか
いただいたこの蘭 

その後ずっと軒下に置いてあって
花を咲かせていなかったが

2年ほど前にちょっと蘭のことを
学んだ夫が植え替えをして水やりを
気を付けていたら

このほど咲いたのです

山野草のような
静かな雰囲気の東洋蘭が
咲いてくれました

小説「仁淀川に帰す」は
終章の2です
またよろしくお願いします





 

 その2

 亜実の短い高知滞在は予定が組まれていて忙しかった。

従弟が心配してくれたとおり父方の祖母が見合いを用意していた。

相手は新聞社に勤めている青年で祖父母の友人の長男だった。


決して嫌な雰囲気ではなかったが 高知を離れると言うことはなさそうで

いわゆる付き合いをゆっくりできる相手ではなかった。


K氏との失恋以来 亜実は積極的に恋愛するという意欲は失っていた。


それでも周りが結婚を心配してくれるのならそれに従っていこうとも考えていた。


だが従弟の章君は

「亜実ちゃん、僕も東京にいたからわかるけど 高知に住むというのはよほど

考えて覚悟しないといかんよ」とアドバイスをくれた。


親族の暖かい気持ちだった。

東京と地方との違いを学生時代から肌で感じ 自分はこうしてここに戻ってくる

という覚悟ができているのだ、ということも知らされた気がした。

彼は上京は社会勉強、と釘をさされ必ず地元に戻るよう子どもの

頃から約束させられていたのだ。

逆にこうしてたまに故郷に帰ってきて歓待されている亜実を見て

地方に住むことの厳しさも少ししらないといけない、

ということを教えてくれていたのだ。


見合いの相手S氏は短い滞在の亜実を飛行場に送ってくれた。

あまり見合いしたことを意識せずに話もでき、

次回ゆっくり会おう、と約束した。

上京するときは連絡させてほしいと電話番号の交換をした

まだ携帯電話を持たない頃の話である。


                      つづく



by akageno-ann | 2025-07-12 18:50 | エッセ- | Trackback