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小休止  ネパールの話

実際に私の主人はネパールへ日本人学校家族の日本米調達のために
二度ほど行っています。

当時20年ほど前ですが、日本人の家族が入植されて、見事な日本米を作っていらっしゃるのを、ある企業の方が日本人学校の家族が日本米に困っているのを知って紹介してくださり、
以来年に一度まとめて日本米を輸入していました。

最初は空路でしたが、超過料金が高いので、何しろ1トン近い量のお米ですから

次第に陸路をトラックで、ということになりました。
トラックが無事ネパールからお米を積んで到着した夜は
感動で・・・さっそく新米を炊きました。

新米はやはり秋深い11月頃に我家は二人でしたが1年分となると150キロを
頼んだように記憶しています。

そして保存は人間一人がすっぽり入れるような大きさの冷凍庫でしました。
お米を冷凍すると長いこと新米の風味がありました。
お客様も増えると、どうしても美味しい日本食で、と思いましたから。

ツヤツヤした見事な日本米でした。

大使館関係の方たち、企業の方たちは送付制度というのがあって

それも料金はかなりかかったようですが、カリフォルニア米を召し上がっていました。

食事をご馳走になるとそれはまた寿司飯に合う美味しいものでしたが、

ネパール米と呼んでいた、この日本米の新米は見事な美味しさでした。

お客様にも大変好評で、シンガポールへ買出し旅行に行ったばかりの頃は

焼き魚に納豆、生卵の朝定食で皆さんを喜ばせたこともあり、楽しい思い出です。


インド料理がまずいわけではありません。

素晴らしいインドカレーとインド中華にほれ込んで、1週間に1度は通っていた小さなホテルの
SAKURAというレストランもあります。

でも日常のお弁当などはやはり白米に塩鮭、肉じゃがなどの食事にしないと主人たちの体力の温存はできなかったと思っていました。

牛肉はバッファローの肉というのを買ったこともありましたが、ぱさぱさしていてとても美味しいとは思えませんでした。


主人はそのお米調達のために行ったネパールに教育の原点を見た、と言っています。

子供たちは公立の学校に行けない場合が多く、そういう子供たちを集めて文字だけでも教えようとする若者が小さな家で学校の真似事のような素朴さで熱心な指導をしている姿をみたということを今でも大切な教育理念にしています。


日本は今学校へ何を目的としたらいいかわからないまま通って教科書を開かず過ごすような子供が少なからずいるといいます。

ネパールの子供はとにかく文字が習いたい、の一心で熱心に通い真剣に覚えている様子が合ったそうです。

文字が書けるということは将来の職探しに大きな影響があるのでしょう。

そして学校生活以外ではすでにあらゆるアルバイトのような小さな仕事をみつけて
家計を助けている姿をみたようです。


それはインドも同じでした。

階層によって学校に行けない子供たちでも、片言の英語、時には日本語を貪欲に覚えて

車の窓拭き、新聞売り、荷物もちといろいろな仕事をみつけて家計を助けているようでした。

そういう子供たちの姿をもっと知らせて安住の地にいて、無為に過ごすことのないよう
知らせてあげたいというのが私たちの思いの一つです。

私自身もっと早くにそういう世界の様々な状況を知っておくべきだった、と思っています。

自分の幸せはその場にいると当たり前になります。

温暖な気候ですらそうです。

どんなに暑くても炭火のアイロンで洗濯にアイロンをかけて仕事する家族や

レンガを一つ一つ積み上げている子供の姿・・・思い出して胸がつまります。

でも現実にその場を見たとき、彼らは惨めな様子はないのです。

それは常に精一杯生き生き生きているようでした。

どんなに進んだとしてもまだあの何億という人口の、戸籍のしっかりしていない
国の中にあって、国中全てが平等にというのは不可能です。

でも一人ひとりが自分の生活をしっかり打ちたてようとする姿は感動があります。

いつかそういう国が国全体としてまとまったり、大きな災害に見舞われたりしたとき

本当の力を発揮するのではないかと思うのです。

平和な日本、ずっとこのままの暮らしが続くよう祈りますが、危機感も持ちながら

一人ひとりしっかりと歩んでいくと、日本はもっと豊かになれるとも思います。

私もがんばらねばと思いつつ、20年持ち続けた思いを書かせていただいてます。

小休止  ネパールの話_c0155326_16132577.jpg

                          ネパールの青年

「アンのように生きる(インドにて)」

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今日はエッセーで失礼します。


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by akageno-ann | 2008-02-28 16:14 | 番外編 | Comments(16)

Commented by う~です at 2008-02-28 19:20 x
何て言うんだろう・・
インドの子供達の生きる力の強さを感じて。。
日本の子供達に(大人もだけど)これほどの生きる力は備わってないなと痛感します。

物にあふれ便利な暮らしは、人間の本来持っている生きる力を発揮する場をなくしてしまったのでしょうか・・・

インドの生きるためにひたむきに頑張ってる子供達に頭が下がります。

Commented by akageno-ann at 2008-02-28 19:56
う~ちゃん・・私の思いを受け止めてくださってありがとうです。

あそこに住んでいた時はこんなに思っていませんでした。
でも今もあの貧しい子供たちの目がキラキラとして生き生きとしていたことを思い出すのです。

それは時々、恵まれてるのにどんよりした目の日本の子供にであうことがあるからかもしれない。

あちらは病気の子供は生気がなかったけど、元気な子供はほんとにキビキビしてた。
ひたむき・・の言葉がぴったりです。
Commented by まーすぃ at 2008-02-28 23:16 x
日本の輸入自由化が進んだ時代に、日本の農家や、自給自足の日本文化が大きく変化することを心配した国民や政治家も多かったと思います。

私がタヒチに行ってみて感じたことと共通している部分があります。人の豊かさは決して持っているものや、便利さから来るとは限らないと…。逆に…シンプルで自給自足の暮らし…私は憧れます。今の生活は本当に便利すぎて、複雑すぎて…ありがたいけど、やっぱり危機感を持たないと、って思います。

応援♪
Commented by ロッキン at 2008-02-29 01:05 x
日本で生まれ育った人にはお米が、欧米人にはパスタやパン、じゃがいもがパワーの原動力になるように、同じ人間でも体がほんとうに必要とするものって違うですよね。

私は日本人だし、やっぱりお米が、でも、主人はお米では力がでない、といいます。同じ人間でも育った環境って大きいんだなと今回のエッセーを読んで再確認しました。

それと、インドの子供たちの生きるパワー、底知れないものですね。


Commented by akageno-ann at 2008-02-29 07:39
まーすぃさん、日本のそういう歴史にも目をむけなくてはいけませんね。確かに。欧米化を皆期待してきた時代もあります。

タヒチ・・そこはインドの人はいませんでしたか?
フランス領ですよね・・モーリシャスなどインド人がフランス語を話してるって聞きました。
インドの人も華僑のような力がありますね。
Commented by akageno-ann at 2008-02-29 07:41
ロッキンさん、インドの人、中国の人の力って底知れないですね・・
その言葉いただきます。
日本の底力ってなんでしょうね?忍耐強さかなあ
など考えたことがあります。
どこでもそれなりに暮らすって大事だと思いました。

お米、おもちの力必要でした、我家にも。
Commented by panipopo at 2008-02-29 08:28 x
お米って、東洋人にはなくてはならないものですものね。
中国人がパンだけ食べて頑張るところも想像つかないし、反対に欧米人がごはんだけ食べて頑張れることも少ないのかしら。。。
うちの夫は社食で毎日、韓食ランチで、夜も韓食のときがあるからパンを食べないこともあるけれど。基本的にはパン食なので、やはりときどきバゲットのバカ食いしていますよ。私もそう。。。幸い、韓国はどこでもごはんが出てくるから、不自由はしないですけど。
おいしいご飯は、東洋人にはありがたいですね!

アジアの民族は、基本的に学ぶということが好きだと思います。それだけ勤勉なのかもしれませんね。それにハングリー精神。終戦後の日本の高度成長は、まさしくこれだったと思います。でも今は、飽和状態ですね。これからどうなるのか!?

喜んで学ぶということは、好奇心とか向上心が旺盛ということだから、心が生きている証拠だと思います。無理強いして勉強するのとは、全然、違いますよね。インドの人々は、毎日の生活の中でいろんな悟りがあるから生き生き、そして淡々と生活できるのではとも思いました。

Commented by ママ at 2008-02-29 12:25 x
いつもインドのお話色々教えてもらって色々勉強になってます。
インド素晴らしい所が沢山あると思うんです。日本も凄くいい所
いっぱいあるし。
でも、インドの子供達は凄い強い。本当に素晴らしいと思います。
いいお話をありがとうございました♪
Commented by akageno-ann at 2008-02-29 13:00
panipopoさん、主食にしても学ぶにしても所変わればで、こうしてたくさんのコメントいただけると、またいろいろ調べたくなって//旅に出たくなります。

そうかあフランスでは朝早くからバゲット・・いつかパリのホテルモリエールという小さな宿にいつも泊まってました。
それは朝食をベッドで摂れて、焼きたてクロワッサンと大きなカップのカフェオレ・・たまりませんでした。
あの美味しさはインドから行ったというわけではなかったと思うけど・・あとにも先にもあのときが一番美味しかったです。

インドは向学心というより、生活のためなのでしょうね。
路上生活者の子供たちどうやってくらしているのか調査はできなかったけど、テント小屋の子達はまがりなりにも学校へ行こうとしてたみたいでした。
Commented by akageno-ann at 2008-02-29 13:02
ママ・・軍団は元気で頑張ってるよね。
次男君は特に吸収力旺盛のように思います。

子育てはほんとに素晴らしくて、とーちぃママのブログ
最高に楽しいです。

インドの話も参考にしてくれてありがとう。
応援お願いします。
Commented by ママ at 2008-02-29 14:26 x
全部10位以内ですね~ヽ(゚Д゚;)ノ!! Σ(゚Д゚ノ)ノ
1位もあって凄い~♥
毎日└(・∀・)┐ズンズン┌(・∀・)┘チャッチャッ って
来ますからΣd(・ω・*)ネッ
Commented by ヒツジ at 2008-02-29 18:27 x
ママありがとう・・応援のお陰だよ・・
互いに楽しく続けていきたいですね。
ズンズン┌(・∀・)┘チャッチャッ て
Commented by あき at 2008-02-29 22:07 x
たった数日の海外旅行でさ、米とお味噌汁がどんだけ食べたかったか・・・って思い出した~
日本人はやっぱりお米が恋しいし大好き!
昔、米不足の時に、日本のお米食べて、本当に美味しいと、
これからは大事にしていこう・・と思ってても
日がたつと、又ありがたみを忘れてしまう・・・

今も問題になってる食への安全について
日本は輸入が殆どで、頼らざるを得ない、、、痛切だよね。
日本は今、何かに気が付かなくてはならないんじゃないかと思うよ。

普通の生活が普通ではない国も沢山あるんだもんね、、
これから色んな現状を知って、子どもに伝えないと・・・

Commented by akageno-ann at 2008-02-29 22:11
あきちゃんへ
すごく大切な気持ちをこうして書いてくださってありがとう。
日本食のすごさってこうしてみると特別なもののように
思えます。
輸入なのに、何でもあるのも日本・・今の自分はすっかりそれに
慣れてしまってるの。
書いてていろいろ思い出します。
Commented by G at 2008-03-12 01:41 x
 ご主人のネパール一人旅よかったですね!お米の調達と教育の原点。どちらも札束を積んでも体験できないことです・・・
 どちらも、ご主人が求めて出会った経験です!ステキな方ですね♪
Commented by akageno-ann at 2008-03-12 07:00
Gさん。主人が喜んでます。
また自分で書きたいそうです。
写真もまだあるので、見ていただきたいです。
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