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小休止 絨毯の話



今日は絨毯の話を少ししたいと思います。

絨毯を買いたいという意識はまったくなかったのですが、私の入った三階建ての家の2階部分を借りた家のフロアには12畳敷きほどの立派な絨毯が敷いてあり、大理石の床は気持ちがいいものの、あまりに無機質でしょう・・ということでその絨毯付きで借りました。

我家はやはり日本式に土足厳禁にしましたが、それまで土足で踏み込んでいたその部屋の絨毯ですからやはり洗濯が必要ということになりまして、さっそく学校の事務職の方に頼んで、絨毯クリーニングを頼みました。

一人の身なりはみすぼらしい男の人でしたが、優しい雰囲気で思い絨毯を丸めて、いとも簡単に運んでいくのでびっくりさせられました。

代金は出来上がったときでいいということでしたので、かなり取られるのだろうと、覚悟していました。

二週間ほどで仕上がり、その男の人がもってきて、今度は若い小僧さんのような人も鉄だって、重々しく絨毯を敷き詰めてくれました。

艶もよく、綺麗になっているようでした。

1750ルピー    当時ですと15000円ほどですか、高いですが

私は当然だと思ったのです。しかもその頃は家の家財道具を揃える時期でお金をたくさん持っていました。

「サンキュー」とにこやかに支払い、なおかつ二人にほんの少しチップを渡したと思います。
そこのところはよく覚えていません。

そして、どういう経路でこの話が学校の事務員Jさんに伝わったのか思い出せないのですが
間もなく・・主人と共に我家にやってきて

「マダム、この絨毯屋にいくらのお金を払いましたか?」

と、追求されました。

「1750ルピーでした。」

「オウ!!なんということだ。高すぎます。どうして相談してくれなかった。」

「え?だってあの人悪い人には見えませんでしたよ。」

「彼はそれ以来行方をくらましたのです。この絨毯を運んで以来いなくなったという話を聞いてご主人に聞くと、絨毯の支払いを済ませたというので飛んできました。」

私は開いた口が塞がらなかったと思います。


実際はせいぜい300ルピーほどで、要するに私はそのインド人にまんまと騙されたわけです。

「とにかく高価なものは必ず相談してください。日本人は払いが良いという評判をみんな知っていますから、どうしてもチートを働きたくなるのでしょう。」

チート・・悪賢い智恵、だとそのとき初めて知った言葉でした。

「チートにひっかからない、」ふむ、一番大事なデリーでの掟なように思いました。

この世知辛い都市では皆しのぎを削る思いで暮らしているのです。

あっさりひっかかった私が悪いのです。

あの大きさの絨毯をいとも簡単にきれいにして持ってきてくれたように思ったのでした。

と、いうのも日本で絨毯のクリーニングを頼むと結構な値段です。
しかも配送が結構手間です。

インドはサーバントやこうした人足のような人たちによって生活が助けられているので
安い、と思ってしまいました。

しかし、これはいけないことでした・・・

1750ルピー その事務員Jさんの話によると、彼らはその金額で1年間暮らせる、というのです。だから彼はそのままいわゆるトンずらしたわけです。

「でも私のミスですから、もういいです。Jさん忘れてください、今度はきちんと相談しますね。心配かけてゴメンナサイ。」そんな話になったと記憶しています。

しかし、Jさんはそのままにしませんでした。

今思えばどうしてみつかったのか、Jさんに聞いておくべきでした。
みつかったのです。そしてもっていた1000ルピーほどを取り返してくれたのです。

店にはどうするのか、を聞きますと、店主は自分の責任だと言っているのでいい、というのです。
私はどうしようもないので、そのポケットにねじ込まれていたようなくしゃくしゃの札を受け取りました。ものすごく哀しい思いでした。
見つかった場所は賭博場のようなところだったようです。

それほど遠くへは行っていなかったのでしょう・・でも彼はそのごどうしたでしょうか?
わかりません。不用意なお金の使い方で一人のインド人を迷わせたと思いました。



絨毯は二畳敷きの小さなものですが、カシミールの絨毯の行商人から1枚買い求め、今我家の居間に健在です。
絨毯はカシミールの工場では当時小さな少女が熱心に機織した姿を写真に収めています。
上のスクロールにあります。小さな手でなくては糸と糸の間に入らないのです。多分。
ぼんやり見てきた自分を恥じます。今となっては・・・

買った絨毯はとても良い柄で、いつでしたか、近所の家具屋で行われた絨毯フェスティバルに持ち込んで品定めしてもらいました。

私が買ったときは五万円ほどの品でしたが、そのときの価値は約3倍の値をつけられて満足しました。ところが、そのときクリーニングを進められました。

調子にのった私は性懲りもなく、頼んでしまいました。
1万円ほどと聞きました。
なのに、出来上がったとき、1万8000円とられました。
これぞ日本のチートだと・・・思いました。
どんなクリーニングだったのでしょうか?

上の写真に一生懸命クリーニングをするインド人の男たちの姿があります。

インドの誠実さと共に私の絨毯の思い出はあるのです。
                                 

「annと小夏とインド」
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小夏はシャンプーに行きました。


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by akageno-ann | 2008-04-12 18:12 | 番外編 | Comments(21)

Commented by panipopo at 2008-04-12 20:51 x
とっても良い仕事をしてもらうと、相場のことも忘れて感激のあまりに高い値段をふっかけられてもこういうもんだと思う気持ち、よくわかります。それになんとなく、値段を交渉するのって日本人は得意じゃないような気がします。
私もよくここで「日本人?」と聞かれて、そうだと答えると、しばしの沈黙の後で言われる値段は???って思います。きっとふっかけているんだな、って思うと悲しいような悔しいような。。。(笑)

取り返してもらったときに、その騙した男性は賭博場にいたんですね。う~ん、やはり怖いな。。。身分相応のお金(それも不当に騙し取った)は、身に付かないんですね、きっと。

日本でのチート、ありでしょうね。どんな国でもありますね~!
応援も☆

Commented by ママ at 2008-04-12 21:06 x
ママも多分、払っちゃうと思います。
でも、10000円もすると今のママは((((´゚゚益゚゚`)))) なります(o´益`;o)aポリポリ
でも、綺麗にしてたって言うのは嬉しいですよね~★
チートってはじめて聞きました。
(。-`ω´-)ンー色んなチートがありますものね。


└(・∀・)┐ズンズン┌(・∀・)┘チャッチャッ

ポチポチ隊ママですワ-(ノ๑´^ิ౪^ิ)八(๑^ิ౪^ิ๑)八(^ิ౪^ิ`๑)ノ-ィ!!!
Commented by さりすけ at 2008-04-12 22:11 x
やっぱり日本人だとチートされやすいんですかね??なんか基本的に人を信じたいので疑ってかからないといけないのはつらいですね。あ、日本の絨毯のクリーニング、だめ〜〜!後で値段変えられたら、私ならしばく〜!!
Commented by akageno-ann at 2008-04-12 22:48
panipopoさん、そうなんです。インドについたばかりの頃。ちょっと偏見もって入国した私は感動することが多くて・・ついね
日本の場合は油断ですね。
しかし彼をすっかり狂わせたのはお金ですね。
これには参りました。
Commented by akageno-ann at 2008-04-12 22:49
ママ・・絨毯て魔物・・よく知らないことが多くてね
だから今はもう絨毯事態かわないことに・・
買えないが正しい。
いつもズンズン応援すごく感謝!!
Commented by akageno-ann at 2008-04-12 22:54
さりちゃん・・はずかしいよ~~ほんとこのうすらとんかち
って思ってます・・笑
文句いったよ~~~その後・・この家具屋、じきに潰れたの
Commented by まーすい at 2008-04-13 03:32 x
インド生活でさまざまなサービスの相場なんてわかりませんね。でも失敗したからわかること、お金だけでなく、インドの人の生活水準や環境、もっと奥深いところまで学んだような経験ですね。失敗しながら賢くなる、人生それの連続ですよね♪

絨毯はピンからキリまであるのかもしれないけれど、自分が好きなデザインを見つけたときは感動でしょうね♪ 余談ですが日本で成人式の時、京都の呉服屋で、両親が好きな着物を買ってあげる、と言ってくれて、100枚以上ある中からこれがいい!!と選んだのはその店で一番高いものでした。値段が全く書かれていないのに!!爆 インドの絨毯も、これは凄い!!っていう違いを現地に長く住んでいるとわかるんでしょうね! 応援♪
Commented by ennjkeru at 2008-04-13 07:16 x
私も家のクリーニングをしたいと思いました^^

素敵な生活が目に見えます~~
羨ましい~~^^
Commented by akageno-ann at 2008-04-13 12:03
まーすぃちゃん・・その振袖写真でみたいなあ~~~
それは見事なものなのではないでしょうかあ
やはり伝統工芸ってすごい!!
日本のは本当に素晴らしいと思うの・・
しかし私はお調子に乗ると何度でも失敗します・・汗
忘れられない思い出です。笑
Commented by akageno-ann at 2008-04-13 12:04
エンジェルさん、素敵な生活かどうかわからないのですが
素敵に暮らしたいと、綺麗に暮らしたいと努力してました。
あのころ懐かしいです。きてくださってありがとう。
Commented by akkunne at 2008-04-13 14:59
こんにちは~何時もありがとう~
ポチ君に連れて来てもらいましたよー(笑)
Commented by akageno-ann at 2008-04-13 15:32
あっくんさん・・元気ですか?ポチ君ありがとう。
Commented by さりすけ at 2008-04-13 15:47 x
姉さん、応援にかけつけました。さいなら〜
Commented by さりすけ at 2008-04-13 15:48 x
ププッ。今姉さんの返事読んだら、うすらとんかちって。かわいい〜の。
Commented by akageno-ann at 2008-04-13 19:54
さりちゃん・・・応援感謝・・なんかすごくいいエネルギー
とんかちってかわいかった??
Commented by ちかた at 2008-04-13 22:06 x
うすらとんかち、私がよく父に言われた言葉ですよ・汗

あ、脱線してすみません!
チート、ひびきはかわいいですが、悲しい言葉ですね。
私もたぶんすぐにお金を払うほうです。
めんどうなのがきらいなので、すぐ払い、落ち着きたくなるのです。

こういうことって、旅先だったら知らないほうが幸せということもありますが、暮らすとなると大切ですよね!

応援!!

Commented by ロッキン at 2008-04-13 23:10 x
とっても良い仕事をしてもらうと、相場のことも忘れて感激のあまりに
ここにきて、映像が動いていたから、え?私、間違えた?って思っちゃいましたが、また素敵になって・・・ 日に日にannさんカラーがでてきてますね!

値段交渉って日本人にとっては決して得意なものとはいえませんものね〜 でも、それも国民性なんでしょうね。

応援も!

Commented by akageno-ann at 2008-04-13 23:31
ちかたさん、なんか古い言葉だったんですが・・あるんですね
懐かしい言葉なの・・私には。あなたの思いでもありがとう。
そうなんです。旅先なら笑い話ですよね・・でも主婦として暮らすと
なるとね・・・応援に感謝!!
Commented by akageno-ann at 2008-04-13 23:34
ロッキンさん、ありがとう。新しいことに挑戦してみたら楽しい映像になったように思うんですが・・気づいてもらうと嬉しいです。
失敗しながら・・挑戦するのはインドで学んだかもしれない、とこのごろ
思い返します。笑 値段交渉も上手になって・・駄目もとで言うようになりました・・応援ほんとにありがとう。
Commented by momomama at 2008-10-08 17:54 x
ペルシャ絨毯とはまた違うのでしょうか? 中東やパキスタン、インド、モンゴル近辺の織物って美しいですね。 

チートは確かに日本でもありますね。 でも、ここまで激しいのは・・・ これに似たことがハワイでもよくありましたよ。 ハワイは特殊な島で、観光しているだけでは気付かない暗い部分がやはりあります。 インドで起きたチートと同じレベルのチートがたくさんあります。 偏見は嫌ですが、トンガ人など小さな島から来た方々など、人種と職種によっては、激しくチートしてくるんです。 ちょっと思い出が交差しました。 チートされるのが大嫌いなのでけんかしたことあります(笑) 相手は結構悪質でした。 格差社会なのでお金に対する執念ってこわいな~と思わされました。 日本はやっぱり他国と比べると安心安全ですね。

スキンが私のと同じになっていたので一瞬「あれっ?ドキッ」としました^^ このスキン色んなバージョンがあって素敵ですよね。 
Commented by akageno-ann at 2008-10-08 23:07
そうなのよ~~私このスキン好きで前はこれだったの・・
またもどったのでよろしくね!
チート・・ハワイの感じもちょっと理解できます。
ペルシャは現存されず今はアフガニスタンあたりのをいうのかなあ
ペルシャの方が数段上ですよ・・技術が
今もたまに展示会見るとすごく高いもの・・

momomamaちゃんありがとう・・読んでくれて嬉しいです。
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